映画館に入るといつも不思議に思うことがある。 あれだけ山盛りに入っていたポップコーンがなぜ気づけば空になっているのか。 映画を観ながら無意識に手を伸ばす。スクリーンに集中している間も指先だけは勝手にバケツの中を探り一つまみを繰り返している。…
映画のチケットを取った瞬間までは気分はかなり良かった。 上映時間を確認、座席を選び、決済を終える。あとは当日を待つだけ。そう思っていた。 だがその後すぐに気づく。 時間を間違えていた。 購入した座席は自分が物理的に行けない時間帯に存在していた…
不調を抱えていた腰がようやく少し落ち着いてきた。 とはいえここで調子に乗ればまた振り出しに戻る。今回の腰痛で一番痛感したのは回復しかけが一番危ういということ。 今日のベンチプレスはあえて無理をしなかった。ブリッジを組まず背中をベタ付けにした…
先日のMRI検査。腰の状態を調べるための精密検査だったのだが終わってみると一番印象に残ったのは検査結果そのものではなかった。 人生二度目のMRI。 とはいえ前回から2年も経っているとあの独特な感覚はほとんど忘れている。 検査前技師さんにこう聞かれた…
金曜日。耐えがたい腰痛というシステム警告に従いついに医療機関で本格的なデバッグを受けることになった。MRIとレントゲンという外部デバイスによって自分の内部構造が可視化される。そこで出力されたログは予想外に複雑だった。 まず安堵すべき結果がある…
明日は休み。 差し迫った問題もない。心を強く揺らすような不安材料だって見当たらない。それなのに意識だけが頑なに沈もうとしない。身体は疲れているはずなのに脳だけが妙に冴え渡っている。 窓の外を見れば黒かった空が少しずつ青みを帯び始めている。夜…
テニスをやっていて、毎回嫌というほど思い知らされることがあった。 左利き相手はとにかくやりにくい。 こちらの感覚でここに来るだろうと予測したボールが微妙に違う角度から飛んでくる。回転の入り方も逆。特にサーブやクロスラリーになると、その違和感…
大型連休という長いシステムダウンを終え日常というメインフレームへ再接続した朝。 そこで最初に表示されたステータスはあまりにも最悪だった。 腰痛の再発。スクワット110kgへの挑戦以降不安定になっていた腰椎周辺が休暇明けというタイミングを狙ったよう…
大型連休という祝祭が終わった。 世間が再び日常という巨大なシステムへ戻っていくなか自分自身もまたその流れに飲み込まれようとしている。 今日は徹底的に休息へ振り切った一日だった。 Apple Watchが記録した睡眠スコアは89点。12時間に及ぶもはや昏睡に…
昨日という一日は望まぬ形で痕跡を残していった。 顔の一部だけが赤く焼け鏡を見るたびにそのムラが視界に入る。隠しきれないキャンバスに刻まれた変な日焼けは単なる外的ダメージ以上に自分の詰めの甘さを静かに突きつけてくる。 こうなればできることは限…
肉体というハードウェアに予期せぬ不具合が発生した。 スクワット110kgへの挑戦かそれとも日々の蓄積か。トリガーの特定は後回しでいい。今やるべきは故障という事実を受け入れ復旧にリソースを集中すること。 サポーターでの固定ロキソニンという化学的パッ…
スクワット110kg。 結果は失敗。立ち上がれないとは思っていなかった。むしろいけると確信に近い感覚すらあった。しかし現実は違った。 バーベルの重みに抗いきれずセーフティバーにドンと預けた瞬間、脳内の予測と実際の挙動が噛み合わずほんの一瞬何が起き…
最近の朝は日本放送協会のラジオを流すことから始まる。 民放のような賑やかなCMに思考を寸断されることもなく淡々と進行するそのトーンはまだ完全に覚醒していない頭にちょうどいい。その静けさの中でひとつ興味深い事実に気づいた。 どうやらNHKには「ゴー…
世間がゴールデンウィークの祝祭に浮かれるなか私はカレンダーの赤文字を無視していつも通りキーボードを叩いている。 今日はメーデー。労働者のための日だというならば実際に労働しているこの状態こそある意味では最も筋の通った祝い方なのかもしれない。祝…
5月を目前に控えようやく本格的な減量に踏み切った。 期間はまず10日間。短期のスプリントとして1日マイナス720kcalという明確な赤字を意図的に作り出す。4日目を終えた現在、懸念していた体調の崩れはなく身体は驚くほど安定して稼働している。 今回の取り…
今日も有酸素運動を終えた。 先週よりも距離は伸びている。とはいえ強くなったという実感は薄い。どちらかといえばようやく本来の自分に戻りつつあるそんな手応え。 結局のところ有酸素運動も筋トレもやっていることは同じだ。昨日の自分を一ミリだけ更新す…
ジョギングという名の心肺機能への再評価。 ゾーン2から3の穏やかな推移を思い描きながら地面を蹴り出すものの現実は拍子抜けするほど容赦がない。ブランク。それだけで心肺というエンジンは見事に鈍りわずかな負荷で心拍は容易くレッドゾーンへと跳ね上がる…
いつもの散歩道には長いあいだ当たり前のようにそこにある光景があった。意識して見ていたわけではないのに確実に視界のどこかに存在し続けていたもの。言ってしまえば少し下世話な話になるがコンドームの自販機。 色あせた筐体には明るい家族計画という文字…
休日の朝ガストの扉を叩いた時点で今日という一日の食の規律は半分崩壊していたのかもしれない。 運ばれてきたハンバーグとその横に鎮座するパンケーキ。ダイエットの天敵と分かっていながら朝の静寂と空腹はそれらを抵抗しがたい至福へと変えてしまう。当然…
今日という一日は図らずも暴食という名の快楽に塗りつぶされた。 とはいえ理性を完全に失った極端なカロリーオーバーではなく主食や脂質の影でタンパク質量が置き去りにされたという程度の綻び。しかし肉体は驚くほど正直にそして即座に反応を示す。乗り込ん…
妻の身長は数値として見れば決して高くはない。 けれど日常的にヒールを履きこなす彼女はその物理的な差を軽やかに無効化してくる。 並んで歩くとき言葉を交わすときふとした瞬間に視線が揃う。時にはわずかに見上げる形にすらなる。その数センチの逆転が妙…
4月、いや正確には3月の中旬から自分という名の肉体改造プロジェクトを再始動させた。 鏡に映る輪郭に対して容赦なく太りすぎだと引導を渡し食事管理とタンパク質の優先摂取そして何より重力との対話とも言える筋トレに時間と意識を投下してきた。 気分では…
路上で目にする原付の風景。 その多くが選んでいるのは頭頂部を覆うだけのいわゆる半ヘル。 法定速度は時速30kmという建前があるものの現実の交通の流れはそれを許さない。気がつけば彼らもまた時速50km近い車列の一部として飲み込まれている。その中でひと…
昨日のケーブルクランチの代償は少し妙な形で現れた。 腹筋の上部がじんわりと痛み始めたのだがどうやら脳はその信号を素直に筋肉痛とは受け取ってくれなかったらしい。腹筋の悲鳴を内臓の異変だと誤認しこちらの意思とは無関係に「腹痛だトイレへ行け」と警…
土曜日の二軍戦を見ながらふと自分の視線が変わっていることに気づいた。 かつてはただプロはすごいと素直に受け取っていたはずなのに今はどこか冷静で少し意地の悪い見方をしてしまう。 守備のほころびにはすぐ目がいくしザルと言いたくなる場面もある。選…
今日という一日は花粉症の薬がもたらした強制的な休止符によってそのほとんどが深い眠りの底へと沈んでいった。 朝、目を開けようとした瞬間に走るあの強烈な痒み。それに抗うための投薬が皮肉にも意識を霧の向こうへと追いやる副作用を連れてきた。予定がな…
良かれと思って投入した防風通聖散は期待した効果どころか下痢と腹痛という極めて分かりやすい拒絶反応を返してきた。内臓脂肪を削るための最短ルートを探した結果がこれだ。見事に外した。 そもそも便秘でもない人間にとってあの排出作用は改善ではなくただ…
脚トレのサーキットという戦場でついに膝を突いた。 意識は遠のき視界は歪みベンチに座る余裕すらない。最後はヨガマットの上に倒れ込みただ吐き気と戦いながら15分をやり過ごすしかなかった。あの時間は身体がここから先は危険だとはっきり警告を出した瞬間…
ビタミンCやB群といった水溶性ビタミンは一度にたくさん摂っても全部が使われるわけではなく余った分はわりとすぐに体の外に出てしまう。 だから朝と昼に分けて飲む方がいいという話にはちゃんと納得できる理由がある。 自分もそれを聞いて「どうせやるなら…
また始まった自分という名の肉体改造プロジェクト。 リバウンドという現実に一度は焦りを覚えたが今回ばかりは単純な敗北では終わらなかった。体組成計が示した体脂肪率の低下という事実がこの一年の試行錯誤が無駄ではなかったことを静かに証明している。 …