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怖いものと勘違いの話【24/12/10】

怖いものや苦手なものは誰にでもある。スウェーデンの大臣がバナナを恐れているという記事を読んだとき「そんなことが?」と驚いた。でも恐怖症は理屈ではない。本人にとっては深刻で避けたい対象なのだろう。

 

私にもそんな経験がある。子供のころピエロが怖かった。白い顔に貼りついた笑顔、得体の知れない雰囲気――近づかれるたびに泣きそうになった。そしてミッキーマウスも怖かった。理由は明確で、嫌というほど見せられたディズニー教材だ。あの独特な高い声が脳内に響き続け、どこに行っても逃げ場がないような感覚に追い詰められた。あの頃ミッキーの笑顔は希望ではなく恐怖そのものだった。

 

恐怖症というのは無理に直そうとすると逆効果になる。「怖がる必要なんてないよ」と周囲に言われるたび「分かってない!」と感じますます怖さが募った記憶がある。結局、克服というより慣れたのだろう。あるいは、ピエロもミッキーも現実には自分の生活圏に存在しない「遠いファンタジー」だと受け入れられるようになったからかもしれない。

 

ただ最近自分が本当に怖いのは「恐怖そのもの」ではなくそれを他人に勘違いされることだと気づいた。ミッキーマウスの話をすると「それはただのキャラクターじゃないか」と笑われたり軽く流されたりすることがある。でも子供のころの自分にとっては深刻な問題だった。その感覚をうまく伝えられないと「何を大げさな」と思われてしまう。それが一番つらい。

 

恐怖症は理由をすべて説明できるものではないし理解されることを前提にするべきでもない。だからこそ自分の恐怖を周囲に押し付けることなくそっと距離を取るのが一番だ。そして他人の恐怖についても分からないなりに「そんなこともあるのか」と受け止める姿勢が大事なのだと思う。