オーストラリアで子供のSNSを禁止する法案が可決されたというニュースを見た。なるほど確かにSNSには危険が多い。特に知らない人と簡単に繋がれてしまうところが怖い。それがSNSの魅力であり最大のリスクでもある。
ふと自分が初めてSNSを使ったときのことを思い出した。最初は友人とのやりとりが中心だったけど気づけば知らない人と繋がっていた。そこにはワクワク感もあったけれど、どこか不安な気持ちもあった。誰だって知らない人との会話には少し警戒心があるものだ。SNSはその壁を簡単に飛び越えさせてしまう。
そう考えると子供がSNSを使うのを禁止したくなる大人の気持ちもわかる。それで問題が解決するのだろうか。学校裏サイトが流行った頃のことを思い出す。あれも大人の目を避けて子供たちが作ったネット空間だった。SNSに舞台を変えただけで今も本質は変わっていない。子供たちはどこかに「隠れ家」を求める。そしてそれを完全に規制することはできない。
SNSを禁止すれば危険な目に遭う子供は減るかもしれない。でも隠れて使う子供が増えればかえって危険が増す気もする。禁止されている場所で起きるトラブルのほうが誰の目にも届かないからだ。
結局大事なのは「使わせないこと」ではなく「どう使わせるか」なのだろう。SNSが危険なのは知らない人と繋がれるから。そのリスクをきちんと教え対処法を学べば、SNSは便利で楽しいツールにもなる。
禁止は簡単だ。それで問題が解決するとは思えない。SNSを禁止する法案を聞いてそんなことをぼんやり考えた一日だった。