陽が落ちるのが早くなり暗い道を車で運転していると、無灯火で逆走してくる自転車が怖い。音もなく現れライトも反射板もないまま暗闇を漂うその姿はまるで「命知らずの幽霊ライダー」。
しかも、ただ逆走しているだけではない。スマホを片手に操作しながら走る者、両手を離して楽しげにバランスを取る者もいる。一体どういう気持ちでそんな危険なチャレンジをしているのか。彼らには「危険」という概念がそもそも存在しないのだろうか。
ドライバーからすれば、無灯火逆走自転車は事故のリスクを超えた「人生リセットスイッチ」だ。ぶつかれば車側が責任を問われることが多いというこの理不尽さ。相手の行動がどれほど危険であっても車側に「もっと注意すべきだった」という判決が下ることもある。
そう考えると、運転中に無灯火逆走自転車が現れるたび「頼むからどっか行ってくれ」と祈るしかない。そして彼らがスマホに夢中になっているのを見ると「次に目を離すときは自分の命だけでなく、こっちの人生も確認してくれ」と言いたくなる。
彼らが「危険だった」と気づく日は恐らく自分が事故に遭ったときだろう。そのとき初めて「もう少し安全運転を心がけるべきだった」と思うかもしれない。