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新聞記事が消える不条理【25/1/9】

新聞記事をスクラップするのが好きだった。昔は紙の切り抜きをアルバムに貼り付けていたが今はデジタル全盛の時代になり、ヘッドラインとURLをスプレッドシートに記録している。過去の記事を見返すたび「こんなことに関心があったのか」と自分を振り返るのが面白い。

 

ところが最近その楽しみに水を差す出来事が起きた。わずか2週間前に読んだ記事のURLを開こうとするとリンク切れで閲覧不能になっている。新聞社が記事をあっさり非公開にしてしまったのだ。毎月きちんと購読料を払っている側からすれば新聞社の公式サイトでこれをやられるのは不信感しかない。Yahoo!ニュースのような二次配信サイトなら期間限定公開が前提という仕組みで納得できるが、朝日や毎日といった新聞社が堂々と記事を消すのは話が違う。

 

「知る権利」を掲げるメディアが、自ら「消す権利」を行使するのはどういう了見なのか?「忘れられる権利」という言葉があるがそれはあくまで個人情報の永続的晒しを防ぐための権利であって新聞記事が短期間で消える行為を正当化するものとは思えない。もし記事内容に誤りがあるなら訂正記事を出せばいいし削除するなら理由くらい明記してほしい。何も言わず情報を引っ込める行為は「報道しない権利」を濫用しているように見える。

 

記事は読者にとって財産だ。スクラップして蓄積することで自分の興味や問題意識を確認できるし、後日その記事を再考する契機にもなる。それを一方的に消されてはかなわない。仕方なくこれからはPDFで記事を保存することにする。リンク切れで振り回されるよりは手間がかかっても確実だろう。

 

新聞とは本来「知る権利」をサポートし、情報に自由にアクセスできる存在であるべきだ。報道の自由を主張するのであればその自由の一部として読者がいつでも記事にアクセスできる仕組みを用意してほしい。紙の切り抜きは手元で生き続けるがデジタルの記事が次々と消えていくようでは新聞というメディアそのものの価値が、時代のうねりの中で薄れていくばかりだと思った。