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『野生の島のロズ』を観ました。 ※ネタバレ注意

eiga.com

映画.comさんの解説を引用

大自然に覆われた無人島に流れ着き、偶然にも起動ボタンを押されて目を覚ました最新型アシストロボットのロズ。都市生活に合わせてプログラミングされ、依頼主からの仕事をこなすことが第一の彼女は、なすすべのない野生の島をさまよう中で、動物たちの行動や言葉を学習し、次第に島に順応していく。そんなある日、雁の卵を見つけて孵化させたロズは、ひな鳥から「ママ」と呼ばれたことで、思いもよらなかった変化の兆しが現れる。ひな鳥に「キラリ」と名付けたロズは、キツネのチャッカリやオポッサムのピンクシッポら島の動物たちにサポートしてもらいながら子育てという“仕事”をやり遂げようとするが……。

 

 

 

野生の島のロズを観た。感情を持たないはずのロボットが、いつしかプログラムの枠を超え、最後には自らの意志で行動するようになる。こういう話にめっぽう弱い。驚くほどロズに感情移入してしまい気づけば物語の中に引き込まれていた。

 

物語そのものは決して目新しいものではない。ロボットが心を持つ話はこれまでに何度も描かれてきたし、王道といえば王道。映画というフォーマットの都合上、端折られている部分もあり展開が唐突に感じる場面もある。だがそうした細かい点を置いておきたくなるほど一本の映画として満足感があった。特に終盤の展開にはグッとくる。

 

主人公のロズも魅力的だったがそれを取り巻く動物たちのキャラクターも良かった。彼らはただの「仲間」ではなく食物連鎖の中に生きる存在として描かれている。ロズが彼らとどう関わるのかどうまとめ上げるのか——そのバランスが絶妙だった。ファンタジー作品でよくある「みんな仲良く手を取り合う」だけではなく、自然界の厳しさを忘れさせない作りになっているのが好印象。

 

終盤、動物たちが一致団結するのはお約束といえばお約束だがそれでも「食うか食われるか」という関係を無視しないところに誠実さを感じた。ちゃんと命を食べる描写があり、綺麗ごとで終わらせない。これは子ども向け映画としてはなかなか真面目なアプローチだと思う。そういう細かい部分に作り手のこだわりが感じられた。

 

そしてなによりロズというキャラクターの魅力が際立っていた。ロボットでありながら、まるで動物のような動きをし、機械的でありながらも生きているように見える。そのギャップがたまらなかった。攻撃モードに入ると目が赤く光るのも印象的。そういえば「赤=危険」の演出はどの国のフィクションでも共通している気がする。もしかすると人間は本能的に赤を危険信号として認識するようプログラムされているのかもしれない。

 

映画を観終わった後に残ったのは満足感。物語も、映像的な美しさも含め描かれるキャラクターや世界観の細部までしっかり作り込まれていることが伝わってくる。細かいことを言えば気になる点がないわけではないがそれらを凌駕するだけの魅力があった。シンプルに「いい映画だった」と言い切れるそんな作品だったと思う。