映画.comさんの解説引用
ヒーローにあこがれる人気ゲームの悪役を主人公に描くディズニー・アニメーション。アメリカで長年親しまれているアーケードゲーム「Fix-It Felix」の悪役キャラ、ラルフは、嫌われ者の悪役を演じ続けることに嫌気がさして自分のゲームから飛び出し、お菓子の世界で繰り広げられるレースゲーム「シュガー・ラッシュ」に出ることに。そこでラルフは、仲間はずれにされているヴァネロベに出会い、孤独な2人は友情を深めていく。「スーパーマリオ」のクッパや「ストリートファイター」のベガ、ザンギエフ、「ソニック」シリーズのドクター・エッグマンら、日本の人気ゲームの悪役も多数登場。短編「紙ひこうき」が同時上映。
『シュガー・ラッシュ』を配信で観た。正直これ映画館で観たかった、と思ってしまった。なぜかって？ それはソニックがゲームのソニックのままで、しかも声優が金丸さんだったからだ。エッグマンに声はなかったものの、ソニックがちゃんと“ソニック”として登場しているだけでテンションが上がる。スクリーンの大画面でこの演出を味わえたら、もっと楽しめたに違いない。
ソニックの話から入ってしまったけど、映画としての完成度も高かった。物語の流れがしっかりしていて、テンポも良い。ゲームの悪役が主人公という設定も個人的に好きで、目的を持たせたことで物語にちゃんと軸がある。そして、最終的に世界（？）を救う展開になるのも熱い。
ただ、ヒロインの最初の印象は最悪だった。かなりのクソガキで、性格も思った以上に悪い。「ここまで悪くする必要あった？」と感じるほどだった。でも、それすら許せるくらい脚本が良くできている。彼女のキャラクターがしっかり掘り下げられ、物語が進むにつれて見方が変わる。結果的に終盤には彼女の魅力がしっかり伝わる構成になっていた。
やはりラストが素敵だった。主人公が「生きる目的」を見つけ、今いる場所を楽しむ生き方にたどり着く。その描写が心に残った。悪役は結局悪役、主人公は主人公、脇役は脇役——それぞれの立場を受け入れつつも、自分なりの幸福を見出す。シンプルだけど、だからこそ響くものがあった。
そして気づく。この1作で完成してしまった気がする。「これで終わりでいいのでは？」と思ったら……え、2作目があるの？ 怖いな。でも、観る、きっと。
総評としては、見やすくて楽しい、完成度の高い作品だった。ゲームの世界観を活かしながらも、しっかり映画としての魅力を持っている。
