全世界14億人以上の信徒を誇るキリスト教最大の教派・カトリック教会。その最高指導者で、バチカン市国の元首であるローマ教皇が亡くなった。新教皇を決める教皇選挙「コンクラーベ」に世界中から100人を超える候補者たちが集まり、システィーナ礼拝堂の閉ざされた扉の向こうで極秘の投票がスタートする。票が割れる中、水面下でさまざまな陰謀、差別、スキャンダルがうごめいていく。選挙を執り仕切ることとなったローレンス枢機卿は、バチカンを震撼させるある秘密を知ることとなる。
『教皇選挙』を観た。いやこれ、すごい。
言ってしまえば、おじさんたちの醜くてどうしようもない政治的な争い。だけど、そこがめちゃくちゃ面白い。
政敵が一人また一人とバッタバッタ倒れていく様子は、わかっていても爽快感があるし、ちょっとした悪趣味な快感もある。ラストの展開も「あぁ、これはそう来るよね」って読めてはいた。けど、そこからのどんでん返しには思わず「やられた」と唸ってしまった。
あの場面のあのおっさんの顔。言葉じゃ説明できないけど、空気で負けを悟るあの感じ最高だった。
そしてやっぱりというか、ここにもいたトランプの影を思わせる保守っぽいキャラ。
現実世界ではそっちの勢力が伸びているけれどこの映画の中では理性とバランスが勝った。
でも観ている側としては「いや、現実ではこうならなかったんだよな……」という感情も湧いてしまって、現実とフィクションの対比にちょっと複雑な気分になる。
トランプが負けていた世界線だったら、たぶんもっとスッキリ観られたかもしれない。
それでも全体としては、かなり良作。
今年はほんとに、当たりとハズレの差が激しい映画ばっかりだけどこれは間違いなく当たり側。
ただ観ながら思ったのは「もっとキリスト教やローマ教皇について知っておけば、より深く楽しめたかもしれない」ということ。歴史があまりにも深すぎるから、ちょっと予習したくなる映画。でも、そうこうしてるうちに公開が終わっちゃいそう。
とにかく、あの空気感を味わうだけでも観る価値はある。
醜くて滑稽で、でもどこか人間らしいおじさんたちの駆け引きが、妙にリアルで、妙に面白い。おすすめ。