わざわざ動画サイトまで行ってニュースを見る気にはどうにもなれない。ニュースなんて文章で十分だろ、と思ってるくらいだ。でも、困ったことに、文字情報だけだと読んだつもりで全然頭に入ってなかったり、理解した気になってるだけで偏った解釈をしてたりすることも多い。この「どうしたもんかねぇ…」というニュースとの付き合い方の悩みとは、もう数十年レベルで格闘してきた。
そんな中、最近ちょっと面白い実験を個人的に試してる。 気になるニュース記事を見つけたらまずスキャンしてPDF化する。それを今度はGeminiみたいな生成AIに読み込ませて「音声概要を作ってくれ」と頼むわけだ。そして出来上がった音声データを耳で聞く、と。
これがねやってみたら想像以上にいい。 AIはただ記事を淡々と読み上げるんじゃない。例えば男女のパーソナリティが対話するような形式で、ニュースのポイントを整理してくれる。時には「これって、こういう問題提起も含まれてるんじゃないですかね？」なんてこっちに問いを投げかけてきたりもする。 さらに驚いたのは全然違うジャンルの記事を5つくらいまとめて放り込んでも、それらの内容をうまーく繋ぎ合わせて全体としてうっすらとテーマ性のある一本のオーディオ番組みたいに再構成してくれることだ。これには正直「AIすげえな！」と声が出た。
ただ今のところ最大のネックはこの一連の作業がとにかく「めんどくさい」ということ。 気になるニュースを見つける → スキャンする → PDFにしてgeminiに貼り付ける → 音声概要が出来上がるまで数分待つ → ようやく聞ける…。このプロセス全体で、平気で十数分はかかってしまう。正直この手間と時間に対する「コスパ」は、まだかなり悪いと言わざるを得ない。 おまけにやっぱり生成AIだからたまに漢字の読み間違いや、変なイントネーションで話すこともある。だからこっちがそのニュースに対して全くの知識ゼロだと、AIの読み間違いに気づけずに、間違った情報を鵜呑みにしてしまう危険性も孕んでる。
それでもこのAIが作ってくれる音声ニュース、今のラジオ番組なんかはいずれこういう形に置き換わっていくのかもしれないな、なんていう気もする。アナウンサーやコメンテーターがいて、初めて番組が成り立つっていう時代じゃなくなるのかも。 …だとしたら、人間って、本当にいらなくなっちゃうのかね？
AIの進化の凄まじさと、まだ残る不便さ。そして、その先にあるかもしれない未来の姿。 そんなことを、ニュースを聞きながらぼんやり考えてしまった。
