日曜日の昼下がり、なんとなくふらりとドラッグストアに入った。特に買うものはなかったはずなのに気づけばお菓子コーナーの前に立っていた。色とりどりのパッケージが棚にずらりと並び甘い誘惑があちこちから迫ってくる。
手に取ったお菓子の裏を見ると「うわ、結構カロリーあるな…」と、思わず声に出してしまった。最近食事を気にしているから。そんな矢先に目の前にあるこの高カロリーの誘惑。買わずにその場を離れたけれどふ、と考えた。
今の物価高で日々の生活に苦労している人たちは、このぎっしり並んだカラフルなパッケージを、いったいどう見ているのだろうか。節約のために必死で切り詰めている人もいるだろう。そんな中で、この華やかな光景は、どんな意味を持つのだろうか。
もし自分が、今日の食事すらままならない状況だったら。
目の前にこれだけの食べ物があるのに、手に取ることができない現実はどんなに辛いだろう。
もちろんそんなことを考えたところで状況は変わらない。僕自身も今は無駄遣いできる余裕はないし今日は買わなかった。それでいいと思う。だけど、ふと立ち止まって「もしも」の世界を想像することは、時に必要なのかもしれない。
そんな「もしも」をぼんやりと考えた、静かな日曜の午後だった。