おかしと人間が仲良く暮らすスイーツランドでは、歌って踊るスーパーアイドル「たべっ子どうぶつ」が大人気。しかし、この世の全てのおかしを排除して世界征服をもくろむ凶悪な「わたあめ軍団」に、ぺがさすちゃんが囚われてしまう。かわいいだけが取り柄で戦闘力ゼロのたべっ子どうぶつたちは、大切な仲間を助けてスイーツランドを救うべく立ちあがるが……。
『たべっ子どうぶつ THE MOVIE』を観ました。 うん、これは正直に言おう。すごい。熱い。そして文句なしに面白い!
なんであの、お馴染みの『たべっ子どうぶつ』が映画に? きっと観る前は誰もがそう思うはずだ。そして白状すると映画を最後まで観終わった今でもその「映画化の深遠なる意義」みたいなものは、ぶっちゃけよく分からないまま! でもハッキリ言える。そんな理屈や疑問は、この映画の面白さの前では本当にどうでも良くなる。純粋にエンターテイメントとして心の底から楽しめた。
まず感動するのがあのビスケットの一枚絵でお馴染みのどうぶつたちが、ちゃんと血の通ったキャラクターとしてスクリーンで生き生きと大暴れしていること。よくぞまあ、あのシンプルなデザインからここまで豊かな物語と、それぞれのどうぶつたちの個性を膨らませたもんだとただただ感心するばかり。 特筆すべきはどうぶつたちは決して物理的にめちゃくちゃ強いわけじゃない、という点。なのにそれぞれが持てる知恵と勇気(と、たぶん幸運も少々)を振り絞って、次々と現れる強大な(?)敵に立ち向かっていく。その姿を見ているだけで、すっかり童心に帰って拳を握りしめてしまう。
そしてこの映画をさらに「熱く」しているのが、まさかのゲストキャラクターたちの存在だ。なんと、日本を代表するあんなお菓子やこんなお菓子の、誰もが知ってるお馴染みのキャラクターたちが、企業の垣根を越えて友情出演(?)この予想外のオールスター感、クロスオーバー展開は反則級のワクワク感しかない。
観る前の想像するような「ほのぼのとした、どうぶつたちの心温まる大冒険!」みたいなノリを期待しているといい意味で裏切られるかもしれない。彼らが故郷に帰ったらとんでもない事態が待ち受けていたりするとこからはじまるわけだし。
展開は手に汗握るものがある。 そして、全てを締めくくる物語のラストで明かされる、衝撃の展開!思わず声が出そうになること間違いなし。この畳み掛けるような展開もまたベタだけど最高に熱いんだ。
結局この興奮と感動をどう言葉にしたらいいのか自分でも上手く説明できない。でもそれでいいのかもしれない。理屈じゃないんだ。頭を空っぽにして、ただただ目の前で繰り広げられるどうぶつたちの活躍に心躍らせる。そんな純粋な「楽しい!」という感情を思い出させてくれる快作だった。
「なんで映画になったかサッパリ分からんけど、とにかく面白かったー!w」 観終わった後そう言って自然と笑顔になれる、そんな素敵な作品に出会えたことに感謝したい。