テレビばかり見てるとバカになる
子供の頃親か誰かに言われた記憶があるありふれた説教文句。
この言葉まああながち間違いじゃないよななんて最近思う。ただそのバカになるメディアの主役はもうテレビじゃない。
時代とともにその主役は新聞→ラジオ→テレビ→そして現代のインターネットというふうに移り変わってきたんだろう。
まあ新聞はまだマシだったかもしれないな。文字情報でしかも止まっている情報だから自分のペースで読み解いて行間を読んで自分なりに考える余地があった。
でも音声メディア以降特にテレビという映像媒体そしてインターネット。このあたりからは受け取る側に一定のモラルとか常識とか物事を多角的に見る人間力みたいなものが備わってないといとも簡単に情報に流されてそれこそバカになるんだと思う。
最近の動画サイトなんてその最たるもんで本当に酷い。
何が一番まずいかって自分で好きな情報だけにいとも簡単にアクセスできてしまうこと。お節介なアルゴリズムが自分の見たいもの信じたい思想だけを次から次へと無限に差し出してくる。これじゃあ思考がどんどん偏って自分の信じたいことだけが世界の真実であるかのように凝り固まっていくのは当たり前。
ワクチンの話なんてその典型。 一度これは体に悪いものだと思い込んだらあとはそれを補強してくれる情報だけを浴び続ける。それが社会全体の公衆衛生にどう影響を及ぼすかなんて考えもしない。公衆衛生ってのは個人主義の話じゃないんだよ。
そしてこういう人たちって別に物事を理解する能力がないわけじゃない。
ただ初めからわかろうとしなかっただけ。自分の信じたい心地よい世界から一歩も出ずに異論や反論に耳を貸さなかった結果カチコチに固くなった頭と偏見に満ちた思想が出来上がる。そして一度そうなっちまったらもう手遅れ。誰がどんなに論理的に説明してもその凝り固まった考えは簡単にはほぐせない。
悲しいけど世の中にはもう対話が成立しないレベルで思考が凝り固まってしまった人が結構な数いる。 それをちゃんと理解した上でそういう人たちとは適切な距離を保ちつつ自分の頭で考えながら生きていくしかない。
