最近なんだか古い曲との心理的な距離がすごく近くなっているような気がする。
例えばサザンオールスターズ。
今や若い世代の子たちも普通に聴いているし誰もサザンを古臭いバンドだなんて思っていない。でもよくよく調べてみたら彼らのデビューは1978年だ。今年でなんと活動47年目。冷静に考えるととんでもないレジェンドだ。
もっと遡ってはっぴいえんどの『風をあつめて』なんて、1971年の曲。実に54年も前の曲になる。
さすがに今の曲と比べて新しいとは感じない。でもかといって古っ!っていう断絶するような感覚もない。不思議と今聴いてもスッと心に入ってくる。
でもこれが1940年代とか50年代の曲になると話は別。
途端にこれは紛れもなく昔の音楽だなという明確な古臭さを感じてしまう。
この差は一体どこから来るんだろう?
はっきりとは分からない。
でもやっぱりビートルズの登場とその影響っていうのはかなり大きいんじゃないかな、と感じたりする。
彼らが登場したことで世界のポピュラー音楽の文法というかサウンドの基準みたいなものが一度ガラッと変わった。そしてその新しい文法の上で成り立っている1970年代以降の音楽は今を生きる我々にとってもどこか地続きのものとして感じられるのかもしれない。
まあとにかく音楽の歴史には確実にどこかで大きな転換点があった。
その転換点より後か前か。それが古臭いと感じるかどうかの一つの大きな境界線になっているんだろう。