最近暇さえあれば育児休業の制度とかその周辺のお金のことについて調べている。おかげで無駄に知識がついてきていろんなパターンのシミュレーションをするのが日課になりつつある。趣味:皮算用、といったところか。
で、そういう情報を追っていると必ず目に入ってくるのが「年少扶養控除を復活させろ!」という最近やたらと大きい主張だ。これに対して冷静に計算してみた自分としての結論は「それを復活させるより今の児童手当を増額してもらった方が多くの人にとっては手取りが増えますよ」って話なんだよね。
なんかみんな「扶養控除」という言葉の響きに過剰な夢を見すぎている気がする。控除っていうのはあくまで「課税される所得を減らす」ものであって税金そのものが丸々減るわけじゃない。高所得者なら恩恵は大きいかもしれないけど一般的な所得層なら現金を直接給付してくれる児童手当の方がよっぽどシンプルで効果的。
そもそも今の日本の子育て支援、実は捨てたもんじゃない。3歳児クラスから小学校に上がる前までは保育料が無償化されているし高校3年生まで実質無料になる制度だってある。医療費だって多くの自治体で無料か格安だ。ここまで支援されているのにさらに「控除もよこせ」「もっと金をくれ」って言うのは失礼を承知で言わせてもらうなら、ちょっと要求が「がめつく」なってきているんじゃないか、と感じてしまう。
大前提として子供を産み育てるということは物理的に家族が一人増えるということだ。 食費もかかる、服もいる、部屋も狭くなる。当然、生活のコストは上がるし経済的にはきつくなる。それはもう物理法則みたいなもので仕方のないこと。それを「子供が増えたら逆に独身時代より生活が楽になりました!」なんて状態にしろというのはよくよく考えたらあまりにも図々しい願いじゃないか。
もちろん自分だって本音ではそうなってほしいと思っているよ。子供を産めば産むほど儲かるシステムならそりゃあ万々歳だ。でもさすがにそれは無理筋だっていうことは、理性を働かせれば分かる。国のお金は無限じゃない。こっちを立てればあっちが立たず。過度な要求を通せばその皺寄せは巡り巡って将来の子供たちへの増税だったり社会サービスの低下だったりという形で必ず自分たちに返ってくる。そのことを、忘れてはいけない。
もし国が本気で「異次元の対策」をするというならせいぜいできるのは「子供が4人以上いる世帯は所得税を免除します」くらいの分かりやすくてインパクトのある減税措置じゃないかな。 それなら稼げば稼ぐほど手取りが増えるから親の働く意欲も上がるし、富裕層も子供を産もうという気になるかもしれない。
「くれくれ」と叫ぶ前に一度冷静に電卓を叩いてみる。そんな習慣が今の日本には必要なのかもしれない。