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ボイジャー【25/12/19】

ふと、気になってボイジャー1号と2号について調べてみた。以前から疑問だった。あんな何もない暗闇に向けて飛んでいって途中で小惑星やら隕石やらにガツンとぶつかって壊れたりしないんだろうか、と。SF映画なんかだと宇宙船はいつも岩石の間を縫うようにして飛んでいるイメージがあるから。

 

調べてみて分かった答えはシンプルかつ衝撃的だった。「宇宙は想像以上に広くて何もないからぶつかる心配はほぼない」らしい。僕たちが想像するような「小惑星帯」ですら岩と岩の間隔は途方もなく離れていて目をつぶって通り抜けても当たらないレベルのスカスカ具合らしい。宇宙の「広さ」と「無」のスケールは人間の感覚を遥かに超えている。もちろん惑星レベルの巨大な天体については最初から軌道計算に組み込まれている。「人類の計算能力を舐めるなよ」と言わんばかりに重力を利用して加速する「スイングバイ」までやってのけるんだから、大したもんだ。

 

しかも驚いたのがボイジャーが打ち上げられた1970年代後半という時期は、175年に一度の「グランドツアー」と呼ばれる奇跡的なタイミングだったそうだ。 木星、土星、天王星、海王星といった外惑星が良い感じに並ぶその千載一遇のチャンスを逃さずに人類はあの探査機を送り出した。 175年に一度て。

 

でもそんな偉大な旅人たちもついに原子力電池の寿命が尽きようとしているらしい。 2025年の今その時は刻一刻と迫っている。機能の一部を停止させながらなんとか延命してきたけれどそれももう限界。地球から最も遠くにある人工物が機能を停止し永遠の沈黙に入る。最後の連絡ラストメッセージはどんなデータになるんだろうか。「もう眠ります」という信号が届いた時地球上の管制室はどんな空気になるんだろう。それを想像すると、どうしようもなく寂しい気持ちになる。

 

けれどたとえ電池が切れて電子機器としての命が終わっても物理的な存在としてのボイジャーは消えない。船体に乗せられた「ゴールデンレコード」には、地球の音や画像、言語が刻まれている。あれだけは電力がいらないアナログな記録媒体だ。あの金色のレコードを抱えたままボイジャーは慣性の法則に従って誰もいない暗闇の中を半永久的に漂い続けることになる。宇宙という広大な海に流された絶対に腐らないボトルメール。

 

いつか何万年、何億年先に、どこかの知的生命体がそれを拾ってくれる可能性はゼロじゃない。ボイジャーの意識が途切れてもその墓標代わりのレコードが無事であることを祈りつつ遥か彼方を飛ぶ孤独な兄弟に思いを馳せる。