SNSのXを眺めているとインプレゾンビという名の電子の亡霊たちが跋扈している。
日本語圏であれば一目でそれとわかる支離滅裂で違和感のある文章の羅列。なぜこれほどまでに醜悪なノイズが溢れかえっているのかと見るたびに暗澹たる気持ちにさせられる。結局のところすべてはお金という一語に集約される。
収益化という名の毒がかつての自由な広場を回復不能なまでに腐らせてしまった。インプレゾンビたちは内容の正しさなど微塵も気にかけていない。彼らにとって重要なのはいかに多くのリプライを誘発しいかに広告を閲覧させるかという一点のみ。たとえそれがこいつはおかしいという批判的なリプライであってもシステム上はエンゲージメントという燃料としてカウントされ彼らの懐を潤す糧となる。怒りや違和感さえもが換金される極めて悪趣味な錬金術。
煽り不安の助長そして他人のポストへの無機質なぶら下がり。そこに知性や生産性はない。あるのは他人の感情をハックしてインプレッションを稼ぎわずかな現金を掠め取ろうとする卑屈な欲望だけ。
かつては有益な情報の断片を拾える場所だったはずが今や泥水を濾過して一滴の真水を探すような途方もない労力を強いられる場所に成り下がった。
「離れよっか、もう。」かつての利便性を上回るほどの重みを持って響く。
情報の海で泳いでいるつもりが実はノイズの荒波に揉まれて精神を摩耗させているだけではないか。生産性のないストレスに身をさらす時間は人生における最大の損失。スマートフォンを閉じ視線を現実へと戻す。そこには数字に汚染されていない静かで確かな世界が広がっている。
価値のない場所に執着するのをやめ心の平穏を取り戻すための退場という選択。それは時代を正気で生き抜くための必然的な防衛本能なのかもしれない。