布団に入り、ようやく訪れるはずだった安らぎは、脚を貫く鋭利な衝撃によって無残に打ち砕かれた。
それは慣れ親しんだ筋肉痛の鈍い重みとは明らかに一線を画すまるで微弱な電流が神経の網を走り続けるような執拗でピリピリとした痛みだった。
スクワットで極限まで追い込んだ代償としての修復作業なのかあるいは細胞の奥底で未知の不均衡が起きているのか。縋るような思いで服用したバファリンすらこの電気風呂の中に放り込まれたような感覚の前には何の効果も示さず、ただ闇の中で自分の肉体が発するノイズに耳を澄ませるしかなかった。
夜通しの苦闘の末に朝を迎えてもなお痛みは引くどころか確かな実体を持って居座り続けている。原因を探ればマグネシウム不足という仮説に行き当たるが昨日の摂取量は966mg、週平均でも991mgというむしろ過剰を疑うほどの数値を叩き出している。
カルシウムも併せて摂取している以上理屈の上では満たされているはずだが現実はその計算を嘲笑うかのように神経を逆なでし続ける。正体不明の痛みに異常というラベルを貼って恐怖に飲み込まれないためにこれを肉体が劇的な進化を遂げようとする超回復のプロセスなのだと強引に定義することにした。
今はただ体内の循環を信じて大量の水を流し込み暴走する神経の沈静化を待つしかない。昨日語った「伸びしろ」という希望が今は鋭い痛みとなって私の全存在を寝床に縛り付けている。