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生理的な閾値【26/3/23】

「今年は軽い」という油断はあまりに鮮やかな形で打ち砕かれた。

関東でのピークアウトを報じるニュースに背中を押され軽快に走り出した土曜日のドライブ。関越道を下り、上信越道へと舵を切る。群馬から長野へと高度を上げ県境を越えたあたりで平穏だった鼻腔に突如として異変が訪れる。止まることのない鼻水の奔流。

それは関東で感じていた去年よりマシという楽観を一瞬で過去のものにするほどの威力を持っていた。

 

興味深いのはその後の地理的な変化だ。北上を続け北陸自動車道を上り方向へ走らせている間あれほど執拗だった症状は嘘のように沈静化した。海沿いの乾いた風が一時的に私をアレルゲンから解放してくれたのか。しかし真の地獄は小矢部砺波ジャンクションを越えた先に待ち構えていた。 

東海北陸自動車道へと入り山深い岐阜の懐に飛び込んだ瞬間花粉症の症状は最大化という臨界点に達した。

 

マスクの中が洪水に見舞われたかのような惨状。

視界を遮るほどの不快感と繰り返されるくしゃみ。杉や檜が密集する山間部という敵の本拠地に自ら飛び込んでしまった報いだろうか。新東名に乗り慣れ親しんだ関東の空気に戻る頃には嵐は去ったかのように思えた。 

だが身体には各地で浴び続けた花粉の蓄積という見えない負債が積み上がっていた。

 

帰宅後、一度リセットされたはずの鼻水とくしゃみが再び襲う。

それは器から溢れ出した水が止まらないかのような、生理的な閾値の突破を物語っていた。日本列島を南北に縦断し各地の花粉の前線をその身で直接観測して回るような過酷なフィールドワーク。天気予報の文字情報だけでは決して分からない地形と植生が織りなすアレルギーの地図を自らの粘膜をもって確かに書き換えた。 

こういうこともあるのかという学びの代償は今も枕元に積まれたティッシュの山として生々しくそこに残っている。