消防訓練でポンプを扱い水を放出した瞬間の衝撃は思っていた以上だった。
反動も重さも予想以上でとても一人でどうにかできるものではない。あの出力の強さを実際に体で感じたとき火災現場に立つことの大変さが一気に現実味を帯びてきた。
知識として「こうすればいい」と分かっていても実際に炎を前にしたときこの体が冷静に動くのかは別問題だろう。結局のところ最後に守るべきは自分の命なのだとあらためて思わされた。
その一方で消火器についてはまだよく知らないままだ。壁に掛かっている赤い筒を見ればあれかとは思うが実際に持ったときどれくらい重いのかピンを抜く感触はどうなのか薬剤はどれくらいの勢いで出るのかそのあたりはまったく分からない。いざというとき使ったことがないという事実は案外大きな不安材料になるのだと思う。
本当なら一度どこかで消火体験をしておくのがいちばんいいのだろう。実際に握って構えて放射してみれば知識だけでは分からない感覚が少しは身につくはずだ。
とはいえそこまでわざわざ足を運ぶのも正直少し面倒くさい。必要なのは分かる。でもそのためにすぐ行動できるほど熱心でもない。たぶんそのくらいの温度感が本音に近い。
だからひとまずは動画を見て学ぶところから始めようと思う。画面越しでも手順や構え方を知っておくだけで何も知らないよりはずっといいはずだ。完璧ではなくても。
そしてこういうことを考えていると小さな防災意識は案外もっと身近なところにもあるのだと気づく。
たとえば地元の避難所がどこにあるのかを把握しておくこと。さらに言えばそこまでちゃんと歩いて行けること。災害時には道がふさがるかもしれないし車が使えるとも限らない。そうなると最後に頼れるのは自分の足。
結局、防災は特別な装備や知識だけではなくきちんと避難できるだけの健脚を保っておくことも大事なのだと思う。