今日という一日は花粉症の薬がもたらした強制的な休止符によってそのほとんどが深い眠りの底へと沈んでいった。
朝、目を開けようとした瞬間に走るあの強烈な痒み。それに抗うための投薬が皮肉にも意識を霧の向こうへと追いやる副作用を連れてきた。予定がないことを幸いに二度寝、三度寝と繰り返す。窓の外の喧騒を遠くに感じながらただひたすらに時間を消費するだけの贅沢で無機質な日曜日。
金曜日のサーキットトレーニングは完遂を待たずして意識の限界という緊急停止によって幕を閉じた。その代償として本来なら日曜日の今日を支配しているはずの猛烈な筋肉痛はどこにも存在しない。苦痛に顔を歪めることなく寝返りを打てるのは本来なら喜ぶべきことなのだろう。しかし追い込みきれなかったという事実がこの軽やかな肉体に身に覚えのない空白を感じさせてしまうのもまた事実。
頭をよぎるのは昨夜の焼肉という名の盛大なエネルギー供給。
一年かけて絞るという免罪符を盾に思う存分詰め込んだあの熱量。本来なら今日のトレーニングの燃料になるはずだったそれらは動くことのない身体の中でただ静かに基礎代謝という名の微かな炎に焼かれている。
脳も身体も動かさないままただ栄養だけが体内を巡る。動かなければという焦燥感と今はこれでいいという諦念が交互に波のように押し寄せてくる。
結局のところ金曜日に限界を超えようとしてシステムダウンした肉体にはこの何もしないという名のオーバーホールが必要だったのかもしれない。
花粉という外敵と薬という名の化学反応そして昨夜の肉の脂。これらすべてを処理するために意識は一時的に退席を命じられたのかもしれない。
罪悪感は明日からの糧にすればいい。今はただこの静かな日曜日の終わりを重たい瞼の裏で受け入れる。