先日のMRI検査。腰の状態を調べるための精密検査だったのだが終わってみると一番印象に残ったのは検査結果そのものではなかった。
人生二度目のMRI。
とはいえ前回から2年も経っているとあの独特な感覚はほとんど忘れている。
検査前技師さんにこう聞かれた。
「お手洗いは大丈夫ですか?」
その時は本当に問題なかったので「大丈夫です」と即答した。実際その瞬間までは何の違和感もなかった。
ところがベッドに横になりヘッドホンを装着され狭い筒の中へ入っていった瞬間から急に意識がおかしくなり始める。
「……本当に大丈夫か?」
一度そう思ってしまうともうダメだった。
普段は無意識でやっているトイレを我慢するという行為をなぜか頭の中で細かく確認し始める。
どうやって我慢してたっけ、意識したら逆に危ないんじゃないかなどと考え始めると、実際には限界でもないのにどんどん不安だけが膨らんでいく。
MRIの中は動けない。しかも狭い。さらに途中で止めたら迷惑がかかるという意識もある。右手には緊急停止用のボタンを握らされているのだがそれが逆にプレッシャーになる。
押したら終わりだぞという、妙な緊張感。
この状態から気を逸らそうと思い今度は別のことを考え始めた。
自分の資産額の計算。
しかしこれも失敗だった。将来のお金のことを考え始めると全然足りないのではという現実的な不安が頭を埋め尽くしストレスでまたトイレを意識し始める。結局尿意と将来不安を行ったり来たりするよくわからない20分間になってしまった。
そしてようやく検査終了。
外へ出た瞬間助かった……という気持ちが真っ先に来た。腰の診断結果より先に精神的な疲労感のほうが強かったくらいだ。
MRIというと閉所恐怖症が大変という話はよく聞く。でも実際に入ってみるとそれだけではない。トイレを我慢しなければならないかもしれないという意識があそこまで人間を追い詰めるとは思わなかった。
次にMRIを受ける時は何より先にトイレを済ませてから行こうと思う。結局一番大事なのはそこだった。