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痛みは、思考を奪う。【26/5/16】

痛み止めと湿布は確かに効いていた。

あれほど存在感を放っていた腰の痛みは落ち着きようやく戻ってきたなという感覚すらあった。動ける。座れる。少なくとも数日前よりはずっとマシだった。

だが身体というものは妙に意地が悪い。

腰が静かになったと思ったら今度は右脇腹の上あたりに嫌な痛みが現れ始めた。しかも今回は筋トレ後の心地いい筋肉痛とは明らかに違う。何かを追い込んだ記憶もない。つまりこれは頑張った結果ではなく単純にどこかを傷めている側の痛み。

 

こういう時に一番厄介なのは痛みそのものではない。

痛みが思考を全部持っていくこと。

脳自体は普通に動いている。意識もはっきりしているし考えようと思えば考えられる。なのに身体のどこかで強い痛みが続いているだけで頭の中の大部分がそこに引っ張られてしまう。

 

何をしていても気になる。
座っても気になる。
呼吸しても寝返りを打っても気になる。

そのせいで本来できるはずのことが処理できなくなる。

 

人間は脳が正常なら普通に生活できると思いがちだ。でも実際は違う。身体の一部が強く不調を訴えるだけで集中力も判断力も簡単に崩れる。

局所的な問題なのに全体が止まる。

それが怪我の嫌なところだと思う。

 

しかも脳が正常だから余計につらい。本当は動けるはずなのにという感覚だけが残るからだ。もし完全に熱が出て寝込んでいるなら諦めもつく。だが中途半端に頭だけが冴えている状態はストレスが大きい。

だから最近は何もできない自分に無理に抗わないようにしている。

痛みが強い日は、集中力も落ちる。思考も散る。それを根性で押し切ろうとしてもたいていうまくいかない。

結局身体が今日は止まれと言っている時は一度止まるしかない。

 

今夜はもう余計なことを考えない。やるべきことも、鍛えることも、一旦横に置く。無理に動かして悪化させるより回復に任せたほうがいい時もある。

身体は壊れたままでは前に進めない。

だから今日は何かを積み上げる日ではなくこれ以上崩さないことを優先する。