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不運【26/5/24】

不運というものは不思議なくらい重なる時がある。

 

一つだけならまあそんな日もあるで済む。だが妙に嫌なことが短期間に連続すると人はだんだんこれは本当に偶然なのか?と思い始める。

実際にはそれぞれ無関係な出来事なのだろう。

 

厄介なのは不幸というのは平穏を壊した瞬間にその価値を急に浮かび上がらせることだ。

何も起きない日。
普通に歩ける身体。
予定通り映画館へ行けること。
親族が元気でいること。

そういうものは問題が起きるまで当たり前すぎて意識されない。だが一つでも崩れるとあああれは結構ギリギリのバランスで成り立っていたんだなと気づかされる。

 

平穏は空気みたいなもの。

ある時は存在を忘れているのに失われた瞬間だけ急に重みを持つ。

そしてこういう時に人間は理由を探し始める。

「何が悪かったのか」
「どこで間違えたのか」
「なぜこんなに続くのか」

でも実際には、答えが存在しないことも多い。

 

偶然は偏る。
悪いタイミングは重なる。
どうにもできないことは本当にどうにもできない。

それを認めるのは一見すると諦めのようにも見える。だが本当は逆なのかもしれない。

 

自分にコントロールできない問題まで全部抱え込むと人間は簡単に壊れる。

だからこれは自分の責任ではないと切り分けることは逃げではなくむしろ正常に生き残るための技術に近い。

嵐の最中に無理に海を支配しようとしても意味がない。波は止まらないし風向きも変えられない。

できるのは船を壊さないことだけだ。

 

最低限の生活を続ける。
食べる。
眠る。
必要以上に自分を責めない。

それくらいでいい。

 

不運が続く時期というのはたぶん存在する。理由はわからないし理不尽。でもその時期を無理に分析し尽くそうとするとかえって消耗する。

だから今はそういう期間なんだと一歩引いて扱うようにしている。

 

無理に前向きにならなくていい。
全部を解決しようとしなくていい。

ただ完全に止まらず壊れずにやり過ごす。

結局長い人生で本当に大事なのは劇的に勝つことより全損しないことなのかもしれない。