朝から台風が関東を直撃していた。
雨も風も強かった。そして午後になるにつれて横殴りの雨になり外の景色そのものが別の土地のように見え始める。
印象的だったのは田んぼ。
もともと水を張る場所ではあるのだがこの日は明らかに様子が違った。水量が異常に多い。さらに強風で水面が波立ち絶えず揺れている。
田んぼを見ているはずなのになぜか海を見ている気分になった。
埼玉県民が海に飢えているからなのかもしれない。
いやたぶん違う。
それくらい水と風の迫力があったのだ。
川もすごかった。
る河川敷が完全に姿を消している。いつも見慣れている景色が水の下に沈んでいる様子はどこか現実感が薄い。
晴れた日には人が歩き、野球やサッカーをしている場所。
その空間が一晩で消える。
自然は時々人間が勝手にここは安全だと思い込んでいる境界線を簡単に踏み越えてくる。
だから怖い。
普段は穏やかな川も条件が揃えば一気に牙をむく。田んぼも道路も関係なく水が広がり本来ここは水の通り道なんだぞと思い出させてくる。
人間のスケールで見れば大災害でも自然からすればただの通常運転なのかもしれない。
そう考えると少し複雑な気分になる。
そして天気予報を見ると今週末もまた低気圧が来るらしい。
さすがに今回ほどではないようだがせっかく台風が去ったと思ったら、また次の荒天が控えている。
一難去ってまた一難。
まさにそんな言葉が浮かぶ。
もっとも最近は天気だけではない。
仕事も体調も予定も気づけば「一つ片付いたと思ったら次が来る」の繰り返し。
人生そのものが低気圧みたいな時期というのはある。
ただ台風にも必ず通過するタイミングがあるように今の慌ただしさもいつかは落ち着くのだろう。
そう信じながらとりあえず今週末の天気予報をもう一度確認する。
できれば今度は埼玉で海を見なくて済む程度で勘弁してほしい。