先日たばこと塩の博物館へ行ってきた。
正直に言うと最初の目的はなんとなく面白そうだから程度だった。たばこの展示については興味がないわけではないが自分の人生と接点が少ない。どちらかというと本命は塩のほうだった。
そして実際に見てみると予想以上に面白かった。
塩なんて普段は当たり前のように食卓に置かれている。料理に使う。味付けをする。その程度の認識しかなかった。しかし人類にとって塩は単なる調味料ではなかった。
どうやって海水から塩を取り出していたのか。どれほどの手間と時間が必要だったのか。地域によって製法がまったく違うこと。そうした歴史を見ていると塩を作るという行為そのものがひとつの産業であり技術だったことがよく分かる。
特に驚いたのは食用より工業用のほうが圧倒的に使用量が多いという話だ。
塩と聞くと真っ先に食べることを連想するが実際には化学工業や製造業などさまざまな分野で大量に使われているらしい。
そしてもうひとつ。
日本の塩は国産が中心だと思い込んでいたのだが実際には輸入に大きく依存しているという事実。知らなかった。本当に知らないことばかりだった。
学校で習ったのかもしれないが完全に記憶から消えている。こういう発見があるから博物館は面白い。
別に専門家になりたいわけではない。試験を受けるわけでもない。仕事に直接役立つわけでもない。
それでも自分が何も知らなかったことを知る体験には価値がある。
最近は休日になると映画館へ行ったり美術館へ行ったりしているが博物館や資料館もかなり良い選択肢だと思った。入館料もそれほど高くない。静か。人も多すぎない。
そして何より帰る頃には少しだけ賢くなった気分になれる。
実際に賢くなっているかどうかは怪しいが。
それでも自分の知らない世界に触れるたびに頭の中の地図が少しだけ広がる感覚がある。もともと勉強が得意な人間ではない。今でも知らないことだらけだ。
だからこそ時間がある時にはこういう場所へ足を運びたいと思う。
知識を増やしたいというより自分の無知を確認し続けたいのかもしれない。
少なくとも塩については本当に何も知らなかった。
そしてその知らなかったが面白かった。