「ありがとう」と言われた時、なんて返しているだろう。ふと思い返してみた。
昔なら自然に「どういたしまして」と言っていた気がする。でも最近はほとんど口にしていない。
「うん。」
「大丈夫。」
軽く頷くだけ。
あるいはその場の空気だけで返事を済ませてしまう。
言葉ではなく表情や雰囲気で会話を終わらせることが増えた気がする。別に悪気があるわけではない。
むしろ「そんなに気にしなくていいよ」という気持ちを込めているのだがそれでも改めて考えると少しもったいない。
「どういたしまして」。
たった8文字なのに相手の「ありがとう」をきちんと受け止める言葉だ。
ありがとうがあってそれに対する返事がある。
会話としてとてもきれいに完結する。
いつから言わなくなったのだろう。
言葉そのものを忘れていたわけではない。
でも日常会話の引き出しから少しずつ奥へ押し込まれて自然には出てこなくなっていた。
言葉というのは使わないと薄れていく。
知識として消えるわけではないけれどすぐ取り出せる場所から少しずつ遠ざかってしまう。
だからこそたまには意識して使わないといけない。
「ありがとう」と同じくらい「どういたしまして」も大切な言葉なのだと思う。
忘れないように。
いや忘れたとしてもちゃんと思い出せる場所には置いておきたい。
そういう言葉をこれからも少しずつ増やしていけたらいいなと思う。