映画『侍タイムスリッパー』を観ました。正直、序盤は個人的にちょっと苦しかった。コメディ的な展開が続きこっちが恥ずかしくなるようなシーンも多く「これが配信だったら離脱していたかも」と思ったくらい。でもそれを乗り越えて中盤に突入すると一気に引き込まれていまった。
特に、殺陣を本業として食べていくという流れに入ってからの勢いが素晴らしかった。そこからはもうラストのエンドロールまで一直線。テンポもよく気がつけばスクリーンに釘付け。映画の内容が面白すぎてどこが具体的に面白かったのか書くのは難しい。一つ一つの流れよりも全体をつかむタイプの作品なので、言葉で説明するのがナンセンスかな。
そして何より最後の大オチが秀逸でした。「まだ続くのか?」と観客に思わせる展開で、視聴者に物語の一部を投げかけるような形が素晴らしかったですね。その余白があることで、観終わった後も感想を言い合える楽しさが残るように作るのはGOOD。ともかく最後の真剣の切り合いは熱かった!映画の中で観客が自分と同じポーズを取っていたけど、自分も知らず知らずのうちに同じような気持ちになっていたからですねぇ。それだけ引き込まれていたということか。
あと逸れちゃうけど、観終わった後に「タイムスリップしたら保険証とか住民票ってどうなるんだろう?」なんて妙に現実的な疑問が浮かんでしまった。扱いとしては難民なのか?これも作品の余韻か?
全体として序盤のハードルを超えた先に待っていたのは熱量たっぷりの面白さ。見終わった後に余韻が残る映画っていいね、それはそう。