日本の政治制度についてふと深く考えを巡らせていた。世間では「解散は税金の無駄遣いだ」「野党は解散権を縛るべきだ」という声が相変わらず大きい。
しかし本当にそうだろうか。イギリスの失敗例がすべてを物語っている。かつて彼らが解散権を制限し議会が自ら解散を決められないようにした結果何が起きたか。決められない政治、動けない政府、まさにゾンビ議会の惨状。
あれを日本で繰り返す必要はない。解散権は独裁を防ぎ、政治的閉塞感を打破してリセットボタンを押すための必要経費だ。もしそれが無駄な解散だというなら国民が選挙でその政権を落とせばいいだけの話であり権利そのものを奪うのは自殺行為に近い。
一方で今の二院制、特に参議院の在り方にはメスを入れるべきだ。衆議院が常に解散の緊張感に晒されているのに参議院が6年も不戦勝で安住できるのは長すぎる。
「一票の格差」を気にするあまり無理やり地方の県をくっつける「合区」などという小手先の策を弄するくらいならいっそ参議院の任期を4年に短縮し2年ごとに半数を改選して民意を確認するサイクルにすべきではないか。スピード感だけを上げ衆議院とは違う角度から民意を吸い上げる。それが現実的な落とし所だろう。
しかし制度以上に根が深くそして恐ろしいのは世代間の格差とそれが見えなくなっている現状。
今の日本で「消費税をゼロにする」と叫ぶポピュリズムが横行しているが私にはそれが現役世代への事実上の「宣戦布告」にしか聞こえない。リタイアした高齢層は所得税は関係なく消費税が主な負担だから減税を諸手を挙げて喜ぶ。しかしその財源を赤字国債で賄えばどうなるか。日本の信用リスクが意識されいずれ金利が上がる。金利が上がれば巨額の住宅ローンを抱える現役世代は即死する。返済額が跳ね上がり新しい家は買えず不動産市場は冷え込み街の新陳代謝も止まる。結果として残るのはボロボロになったインフラと価値の下がった家そして返済不能のローンだけだ。
恐ろしいのはこの「負のドミノ倒し」を理解している人があまりに少なすぎることだ。 目先の数百円、数千円の減税という飴玉に目を奪われ将来の数千万円の損失(金利上昇リスク)に気づかない。この何もわかっていない層の数に我々現役世代は圧倒されている。民主主義のコストとして選挙費用を払うのは構わない。だが他者の無知によって自分たちの生活が破壊される未来をコストとして支払わされるのはあまりに理不尽で耐え難い。
政治をリセットする権利(解散権)は守るべきだがその権利を行使する側のリテラシーがリセットされない限りこの国は静かにしかし確実に老いていく。